社長・社外取締役対談
井上代表取締役社長と今年度より社外取締役に就任された佐藤取締役が、フジボウの今後について対談を行いました。
さらなる成長ステージへと向かう富士紡グループ
富士紡のサステナビリティ経営
井上:この度、当社グループに2 人目の女性取締役として佐藤さんを迎えたことは、ダイバーシティの実現やガバナンスの強化といったサステナビリティ経営の増強につながることから大いに期待しております。当社のサステナビリティ経営は、儲けること、すなわち、成長性・収益性と共に、社会貢献、誠実さも追求する」と定義しています。事業環境の変化に適応し、収益性を高めることが、株主の皆さまへの適切な還元や企業価値向上へとつながると考えています。
佐藤:まさに「圧倒的なニッチナンバーワン企業」を目指して中期経営計画「増強21-25 」で実行されていることですね。富士紡グループは誠実で実直な会社という印象がありますので、創業以来大事にされてきた公正さや透明性というマインドを尊重しつつ、さらなる成長のためにどんどん新しいことに挑戦していただきたいと思います。
私自身も男性の多い職場で仕事をしてきて様々な苦労もありましたが、女性だからできることもたくさん経験しました。今後、社員の皆さんと接するなかでその経験をお伝えしていきたいです。
井上:当社は主にBtoB の製造業がメインです。お客さまと膝を突き合わせたモノづくりのなかで信頼関係を構築し、お互いの信頼のうえに双方の付加価値を上げていくことを意識しています。近年、おかげさまでお客さまから高い評価をいただいており、今後ESGの観点からも社会課題解決の一翼を担える存在になれればと考えています。現在、ESG推進委員会において、「E(環境)」「S(社会)」「G(ガバナンス)」それぞれの分科会が課題に取り組んでいますが、「E」と「S」はまだまだ十分とは言えません。今はいわば「器」をつくり、その形を整えている段階です。今後は、そこに様々な水を注ぎ器を満たしていきたいと考えています。
富士紡マインドで、一層のチャレンジを
井上:当社の中期経営計画は2006 年の「変身」からはじまり、「突破」「邁進」「加速」「増強」と毎回新たなテーマを掲げてきましたが、そこには共通して「変身」というテーマが根底にあります。社員には失敗を恐れず、前向きに取り組む意識を持ってもらいたいという思いが込められており、誰もがチャレンジできる風土づくりも大事にしたいですね。
佐藤:富士紡の長い歴史のなかでは、海外から安い製品が入ってくるなど、様々な試練があったことと存じます。一般的には、多くの人に受け入れられるものをつくって、規模の拡大を追求しようとする考え方が多いなかで、「圧倒的なニッチナンバーワン企業」を目指す富士紡グループはユニークであり、そのこと自体、大きなチャレンジだと思います。
ダイバーシティが組織を強くする
井上:今回、佐藤さんが就任されたことで女性取締役は2 名に増え、取締役、監査役ともにそれぞれ社外から3 名を選任しています。社外役員の皆さまにおかれましては、例えば、海外勤務を経験して初めて日本特有の文化に気づかされるように、外からの視点で当社が誤った方向に進まないよう導いていただきたいと考えています。また、役員に限らず、女性や外国人の中途採用を進め、ダイバーシティを一層推進します。
佐藤:私もダイバーシティは大事だと思います。社長というお立場は様々な場面で決断を迫られるわけで、非常に孤独でもありますよね。だからこそ、その周りに異なる視点から率直な意見を出してくれる人が必要ですし、それが多様であればあるほど組織として強くなれると思います。積極的に外部の方を取り入れて経営に活かしていこうという姿勢は素晴らしいことだと思います。
井上:私はダイバーシティを尊重した上で、もっともっと風通しを良くしたいんです。当社は堅実な半面、慎重になりすぎる傾向があると感じており、社員には豊かな人生を築いてもらうために様々な分野や局面でチャレンジできる機会を与えることができれば良いなと思っています。
佐藤:井上社長のお言葉をお聞きして心強く思います。その思いを貫いていただけるよう、微力ながら尽力していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。