FUJIBO JOURNAL

女性社外取締役と語る
女性活躍推進とワーク・ライフ・バランス

2021.11.30

働き方

職場環境の改善や女性活躍のためのワーク・ライフ・バランスなどの働き方改革の取り組みについて、女性社員たちがルース・マリー・ジャーマン社外取締役と語りました。

ルース マリー ジャーマンさん
富士紡ホールディングス(株)
社外取締役

Kさん
フジボウ愛媛(株)
壬生川工場 技術開発課

Oさん
富士紡ホールディングス(株)
東京本社 知的財産室

Tさん
富士紡ホールディングス(株)
東京本社 人事部

現在の仕事と働き方

ジャーマン:私は社外取締役としての視点で、富士紡グループのさまざまな職場で働く女性の皆さんが、安定して働きながら活躍できる環境づくりをサポートしていきたいと思っています。どうぞルーシーと呼んでください。

K:私は2009年に入社し、半導体向け超精密加工用研磨材の開発に係長という立場で携わっています。2015年に出産、1年間の育児休暇を取得後、現在の部署に復帰しました。

O:私は2018年の入社です。新しく開発した研磨材に関する特許や実用新案の出願、関連する特許の調査を行っています。

T:私は2018年に中途採用で入社しました。人事部内に新しく作られたチーム「人財戦略グループ」で、管理職として、「人財」の採用と育成を担当しています。プライベートでは、3人の子育てに奮闘しています。

ワーク・ライフ・バランスにおける女性の課題

T:Kさんは出産、子育てを経て復帰されたのですね。仕事と家庭の両立はいかがですか。

K:出産後はどうしても働く時間に制限がかかってしまいます。一方で、業務のレベルはどんどんあがっていく。仕事と家庭をどう両立させるかを真摯に考え、周りを巻き込みながら「働き方改革」に取り組んでいます。私の経験は、フジボウの働き方改革に活かせるのではないかと感じています。

T:私も小さい子どもがいますが、お迎えとか時間制約が増えて、仕事の段取りなどセルフマネジメントが重要になってきますね。

K:子どもが発熱して急に休まないといけないようなことが起こっても、仕事をスムーズに同僚に依頼できるよう、業務手順を明確にしたり、情報を共有化する仕組みを整えてきました。

O:そういった工夫が必要になるのですね。私の部署は女性が3人で、男性の多い職場ですが、仕事をしている中で女性だからできる・できないということは、あまり感じたことはありません。世の中では「女性が働きづらい」と言われていますが、私は不自由さを感じておらず、良いことかなと思います。

T:そうですね。フジボウはまだ女性は少ないですが、女性だから「仕事で損をした」「評価されていない」と感じることはありません。

ジャーマン:私が最初の子どもを生んだ27年前は、日本での子育ては欧米のようなベビーシッターがあまり一般的でなく、父親は働いて母親は子育て、専業主婦が多い印象でした。最近では日本の男性の意識が変わってきたことを感じます。それは働き方改革が多くの企業に浸透して、男性の育児休暇も取得しやすくなってきたこともあると思います。これからの職場は多様性が重視され、男性も女性もいきいきと活躍できる職場環境の改善を考えていかないといけません。その意味で、KさんやTさんのようにワーク・ライフ・バランスの仕組みづくりを先陣切って整えていく「先輩」の存在は、次世代社員たちにとっても大切だと思います。

女性活躍の場を拡げるために

ジャーマン:仕事の目標やモチベーションにしていることはありますか。

T:ルーシーさんがおっしゃるように、これから入ってくる次世代の女性もちゃんと活躍できるベースづくりを私たちが構築しないといけないと考えています。

O:当社の制度は充実していて働きやすい環境は整っていると思います。今後は今までの業務のやり方を見直しして、より仕事を楽しんでできる環境にできるといいなと思います。

K:私は、女性管理職として、どう人を育て、マネジメントしていくのか試行錯誤している最中です。男性リーダーとは違う、女性リーダーとしてのコミュニケーションなど、自分なりのマネジメントスタイルを確立するのが目標です。

ジャーマン:今、日本企業で働いている男性の多くが抱いているダイバーシティのイメージは、男性と女性を同じ扱いにすることです。男性に対してやってきたことを、女性に対してそっくりそのまますることが「平等」だと勘違いしているような気がします。でも例えば「男性9人、女性1人」というような職場では、女性ならではの配慮があった方が気持ちよく働けます。言い方を少し変えてみようとか、工夫が必要だと思います。

K:自分が上に立ったときも、そういう考え方を大事にしたいと思います。私の上には、女性がいません。ですから、今日は最先端の女性リーダーとお話しできることを楽しみにしていたんです。

T:女性だからこその繊細な気遣いのできる、お母さんのような温かさ、頼りがいを発揮できるリーダーが必要なのかなと思います。ルーシーさん、これからも私たちが壁にぶつかったときは、相談してもいいですか?

ジャーマン:もちろん。私はそのためにいるんです。ぜひ!